カレーパフォーマー加藤のスパイスカレー探訪記

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一日寝かせたカレーで食中毒菌が繁殖する原因と鍋での保存方法

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今日もインド人風コスプレでブログを書くカレーパフォーマー加藤です。

夏と言えばカレーの季節。暑い日が続くとスパイスが恋しくなってきます。

家庭でカレーを作る機会が増えるのはもちろんのこと、部活・サークルの夏合宿やサマーキャンプなどでカレーを大量に作って食べる方々も多くいらっしゃることと思います。海の家やレジャー施設でも、大量にカレーを作り置きしてることでしょう。

そのような季節だからこそ気を付けていただきたいのが食中毒です。

大量に作ったカレーを寝かせて翌日以降も食べる場合は、保存方法を誤ると食中毒の原因となるウエルシュ菌が繁殖して大惨事となります。

今年の夏は暑い日が続いているので、食中毒には例年以上に注意しましょう。

この記事では、カレーによって引き起こされる食中毒の原因とカレーの適切な保存方法をご紹介します。

カレーを鍋のまま常温保存している人は17.9%(東京都調べ)

平成30年に東京都福祉保健局が公開した「家庭における食中毒予防に関する調査 報告書」を読むと、カレーを寝かすときは鍋のまま常温保存している人が17.9%もいることがわかります。

カレー等が残った場合、小分けして冷蔵・冷凍が 40.5%、鍋のまま冷蔵保管が 28.3%で、鍋のまま常温保管は 17.9%。

残ったカレー・シチューを翌日以降も食べる人は 98.2%。

「作った鍋のまま、常温保管」する人のうち、3 割弱が 3 日後まで食べている。

保管したカレー等の再加熱は、「食べごろの温度になるまで」と「再加熱しない」をあわせて 35.4%。また、「作った鍋のまま、常温保管」する人のうち、4 割程度が「食べごろの温度になるまで」しか再加熱していない。

詳しくは後述しますが、食中毒を防ぐためには、カレーは粗熱を取った後で小分けにして冷蔵庫で保存することが効果的です。カレーを鍋のまま常温保存すると食中毒が起こるリスクが高くなります。

また、寝かせたカレーを二日目以降に食べるときには、食べごろの温度になるまでではなく十分に再加熱する必要があります。

意外とカレーの適切な保存方法が知られておらず、各家庭で食中毒が起こるリスクが高いことがご理解いただけたのではないでしょうか。

カレーによる食中毒の原因はウェルシュ菌

カレーやシチュー、煮物などの鍋で大量に調理して長時間保存する料理で食中毒が起こる主な原因はウェルシュ菌です。

東京都福祉保健局の東京都食品安全FAQによると、ウェルシュ菌の特性は以下の通りです。

・ウェルシュ菌はもともと動物の腸管内、土壌等自然界に広く存在していています。

・ウェルシュ菌は、加熱調理しても、芽胞という殻を作って生き残る性質があります。

・このため、カレーなどを調理した後、常温で保管していると、芽胞となって生き残ったウェルシュ菌が、温度が下がり増殖に適温となった食品の中で活発に増えてしまいます。それをそのまま食べてしまうことで食中毒が起こります。

公益社団法人日本食品衛生協会のウエルシュ菌食中毒に関するページを確認すると、ウェルシュ菌による食中毒の発症は原因となる食品を食べてから6~18時間後とのこと。

症状は水様性の下痢、腹痛(嘔吐や発熱はまれ)です。1~2 日で回復すると言われていますが、異変を感じたら即刻病院に行きましょう。

ウェルシュ菌は増殖に不適切な環境下では芽胞を作って100℃で1~6 時間加熱しても耐えるようになります。ウェルシュ菌が増殖しやすい温度は12~50℃、至適温度は43~45℃で、この温度になると通常の菌体に戻って増殖を開始します。

カレーは小分けにして冷蔵庫で保存

ウェルシュ菌による食中毒を予防するために、当日食べる分のカレーをなるべくすぐに食べることをおすすめします。

カレーを食べるまで時間が空く場合または翌日以降まで寝かせる場合は、ウェルシュ菌が増殖しにくい10℃以下で保存することが食中毒予防に効果的です。また、ウェルシュ菌は空気が苦手です。

そこで、カレーは調理後に粗熱を取った後でジップロック コンテナー等に入れて小分けにして冷蔵庫で保存するのがおすすめです。小分けにすることにより10℃以下になりやすく、鍋のまま保存するのに比べて空気にも触れやすくなります。

寝かせたカレーはよくかき混ぜながら十分に再加熱する

ウェルシュ菌は通常の菌体になると熱に弱くなるので、二日目以降にカレーを食べる場合、中心部に火が通るまで十分に再加熱しましょう。

その際、カレーがウェルシュ菌の苦手な空気に触れるようにムラなくしっかりと混ぜます。

それ以外の食中毒防止方法

政府広報オンラインの食中毒を防ぐ3つの原則・6つのポイントが参考になります。

食中毒の発生事例

東京都福祉保健局

食中毒の発生について 豊島区内の飲食店が提供した食事で発生した食中毒

こうしておこった食中毒【事業者編】⑦ 前日調理のカレーによるウェルシュ菌食中毒

参考文献(この記事の情報源)

東京都福祉保健局

家庭における食中毒予防に関する調査 報告書

公益社団法人日本食品衛生協会

ウエルシュ菌食中毒

サラヤ株式会社

知っておきたい!家庭の感染と予防 食中毒(ウェルシュ菌)とは?

政府広報オンライン

食中毒を防ぐ3つの原則・6つのポイント

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